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Cloudflareにホームページを移すとメールはどうなる?DNS・Web・メールの関係を解説

「ホームページを移したら、メールアドレスも変わりますか?」

ホームページをCloudflareへ移す話をすると

「今使っている会社のメールはどうなるんですか?」

と心配になることがあります。

例えば

info@example.jp

というメールアドレスを長く使っている会社が、ホームページだけCloudflareへ移したい。

この場合、正しく設定すればメールアドレスを変更する必要はありません。

ホームページとメールは、同じドメインを使っていても、インターネット上では別々の行き先を設定できるからです。

ただし、Cloudflareへの移行時にDNS設定を誤ると、Webサイトは表示できるのにメールだけ届かなくなることがあります。

今回は、その仕組みをできるだけ簡単に説明します。


まずDNSとは?

DNSは

Domain Name System

の略です。

簡単に言えば

「このドメインの通信を、どこへ案内するかを決める案内板」

のようなものです。

例えば

example.jp

というドメインについて

ホームページはこちら。

メールはこちら。

サービス確認用の情報はこちら。

というように、用途ごとに別の設定を持っています。

そのため

ホームページの置き場所を変えても、メールの行き先をそのまま残す

ことができます。


ホームページとメールは別々に設定されています

DNSにはいくつか種類のレコードがあります。

ホームページでは主に

A・AAAA・CNAME

と呼ばれるレコードを使います。

これらは

「このホームページは、こちらのサーバーへアクセスしてください」

という情報です。

一方、メールの受信先を決める代表的なものが

MXレコード

です。

MXはMail Exchangeの略で

「このドメイン宛のメールは、このメールサーバーへ届けてください」

という情報です。

つまり

Webの行き先と、メールの行き先は別々に決められます。


Cloudflareへ移しても、今のメールをそのまま使えます

例えば現在

ホームページ:レンタルサーバー

メール:Microsoft 365

という会社があったとします。

ホームページだけCloudflareへ変更しても

MXレコードをMicrosoft 365のまま維持すれば、メール環境を変える必要はありません。

Google Workspaceでも同じです。

既存のレンタルサーバーでメールだけ継続する構成も可能です。

つまり

「Cloudflareへホームページを移す=メールサービスもCloudflareへ移す」

ではありません。

Webとメールを別々のサービスで運用することは、ごく普通の構成です。


それでも「移行したらメールが止まった」が起こる理由

問題になるのは、CloudflareへDNS管理を移すときです。

Cloudflareを本格的に利用する際には、ドメインのネームサーバーをCloudflareへ変更することがあります。

このとき

現在利用しているDNSレコードをCloudflare側にも正しく登録しておく必要があります。

例えば、それまで存在していた

  • MX
  • SPF
  • DKIM
  • DMARC
  • mail用のA・CNAME
  • autodiscoverなどのサービス用レコード

が抜けてしまうと、メールに影響する可能性があります。

Cloudflareには既存DNSレコードをスキャンして取り込む機能がありますが、公式にもネームサーバーを変更する前に、レコードを自分で確認し、不足があれば追加することが案内されています。

「自動で読み込まれたから大丈夫」

だけではなく、一度確認することが大切です。


MXレコードはCloudflareの「オレンジ雲」を通りません

Cloudflareでよく見るのが

Proxied(オレンジ色の雲)

という設定です。

Webサイトの通信をCloudflare経由にすることで、キャッシュやセキュリティ機能などを利用できます。

しかし、メールは少し違います。

Cloudflareの通常のHTTPプロキシは、SMTPなどの一般的なメール通信を中継するものではありません。

そのためMXレコードはプロキシされません。

また

mail.example.jp

のようなメール専用ホストをAレコードで作っている場合も、基本的には

DNS only

として運用します。

間違ってメール用ホストをWebサイトと同じ感覚でプロキシすると、メールソフトから接続できなくなる場合があります。


SPF・DKIM・DMARCも忘れない

会社メールでは、MXだけでなくメール認証も重要です。

SPF

「このサービスから、この会社のメールを送ってよい」

という送信元の許可情報です。

DKIM

送信メールへ電子署名を付けて

「正規の送信元から送られ、途中で改ざんされていないか」

を確認する仕組みです。

DMARC

SPFやDKIMの結果を使い

認証に失敗したメールをどう扱うか

を受信側へ伝える仕組みです。

CloudflareへDNSを移す場合も、これらのレコードを引き継ぎます。

ホームページは正常なのに

「移行後から会社メールが迷惑メールへ入りやすくなった」

という場合は、このあたりも確認したいところです。


Cloudflareのメール機能を使わなければならないわけではありません

CloudflareにはEmail Routingなどのメール関連機能もあります。

ただし

Cloudflareでホームページを運用するから、メールもCloudflareへ変更しなければならない

ということではありません。

現在利用している

  • Microsoft 365
  • Google Workspace
  • レンタルサーバーのメール
  • その他のメールサービス

を継続して構いません。

ホームページはCloudflare。

メールは既存サービス。

という構成にできます。


移行前に確認したいDNSレコード

Cloudflareへ切り替える前には、現在のDNS設定を一度一覧にしておくと安心です。

特に確認したいのは

  • Webサイト用のA・AAAA・CNAME
  • MX
  • SPF
  • DKIM
  • DMARC
  • mailやwebmail
  • autodiscover
  • 各種クラウドサービスの認証レコード

などです。

そして切り替え後には

ホームページが開くかだけではなく、メールの送受信もテストします。

社内同士だけではなく

Gmailから会社メールへ送る。

会社メールからGmailへ送る。

Microsoft系アドレスとも送受信する。

といった外部との確認もしておくと安心です。


Cloudflareへの移行で怖いのは、Cloudflareそのものではありません

Cloudflareへホームページを移したからメールが壊れる、というものではありません。

問題になりやすいのは

DNSという会社全体の通信の案内板を変更する際に、メール設定まで一緒に変えてしまうこと

です。

Webだけを変更するつもりでも、DNSにはWeb以外の情報も入っています。

だからこそ、ホームページ移行では

今このドメインが何に使われているのか

を事前に確認することが重要です。


TrusKiteでは、ホームページだけを見て移行しません

TrusKiteでも今後、Cloudflareを利用したホームページ制作を増やしていく予定です。

その際

「現在のホームページをCloudflareへ移しましょう」

だけではなく

  • 現在のDNS
  • 利用中のメール
  • SPF・DKIM・DMARC
  • サブドメイン
  • 外部クラウドサービス
  • 問い合わせフォーム

なども確認してから移行します。

ホームページだけ新しくなったけれど、翌朝会社メールが使えない。

それでは意味がありません。

Web制作とメール、ネットワークを別々のものとして見るのではなく

会社のIT環境全体の一部として確認すること

を大切にしています。


ホームページを変えても、メールアドレスは残せます

長年取引先へ案内してきたメールアドレス。

名刺へ載せているアドレス。

請求書や契約書へ記載しているアドレス。

ホームページを新しくするために、それらまで変更する必要はありません。

大切なのは

ホームページとメールは別々に設定できる

ということを理解し、DNSを正しく引き継ぐことです。

Cloudflareへ移行するときは

「Webサイトはどうするか」

だけではなく

「このドメインで、他に何を使っているか」

まで一度確認してみてください。

それが、安全な移行の第一歩です。


※DNS:ドメインと各種サービスの接続先を管理する仕組みです。

※MX:そのドメイン宛のメールをどのメールサーバーへ届けるか指定するDNSレコードです。

※SPF・DKIM・DMARC:メールの送信元確認やなりすまし対策などに利用されるメール認証の仕組みです。

※Cloudflareの通常のHTTPプロキシではSMTP・IMAP・POP3などのメール通信は扱わないため、メール関連のホスト名は構成に応じてDNS onlyで設定する必要があります。

※本記事は2026年8月時点のCloudflare公式情報をもとに作成しています。